29.2%の利息に喘げ

29.2%(グレーゾーン)の利息に喘げ
蛇足の蛇足の蛇足です。本編の雰囲気を破壊するバカラブコメなので、ご注意ください。

 

 わたしには悩みがある。
 それは我がサーヴァント、セイバーのことである。わたしは彼が好きで、彼もわたしが好き。それは間違いのないことだ。

 ソファに座れば、「し、失礼します…」と少しだけ隙間を空けてソワソワと着席する。外に出れば、「ああ、マスター。し、車道側は私に…」と拳三つ分くらいの距離を空けて横を歩く。
 スーパーに行けば「マスター!このモレーにお任せください!特売への道は、既に開かれています!」と誰より早く家計を守りにいく。帰り道は当然のように、すべての袋を持ってくれるし。
 
 文句はない。文句はないのだ。
 だけど、同じ家で長く生活していると、なんというか…こう、所帯染みているというか!?好き合っているという感じが薄れて、ただの同居人になってしまっているというか!?
 
 だから。ここは一回、非日常を挟み─────気合いの入ったデートでもして、同居してるのはセイバーのことが大好きな相思相愛のわたしであることを、強く意識して貰う必要があると考えた。
 
 しかしわたしは普段、パチンコ屋とスーパーと時計塔くらいにしか行かない。
 当然、一般的な男女が訪れるデートスポットなどを知るわけもなく────困ったわたしは、姦淫の伝道師に指示を仰ぐことにした。

「ふ〜ん。なんかその言い方、ヤダけど…」

 モレーちゃんはわたしをじっとり見た。
 舌を少し出して、ぺろりと唇を舐める。そうして、いやに艶かしい手付きで、わたしの肩を指先でなぞった。

「でも。あたしがきみに恩を売れるのは、全然悪くないっていうか。…いいよ。ぜんぶ、手取り足取り教えてあげる。
 だから、ほら。んふふ…後でしっかり、しっぽり…支払ってね…?」

 しっぽりは支払わない。
 モレーちゃんのことは好きだが、わたしはセイバーに誠実でありたい。
 野良サーヴァントを放置できないこの町の魔術師として、彼女の事が好きな隣人として同居はするが、だからと言って彼を裏切るような真似は出来ない。

 そう主張すれば、モレーちゃんは「はー、相変わらずかたーい」と文句を言った。

「だからさー。あたしとあいつは同じ人間。なんにも問題ないってば」

 あいつと呼ぶ時点で、他人すぎるだろ。
 
 どう考えても詭弁なのだが、彼女はこの主張を推し続けるらしい。
 モレーちゃんはわたしの腰に手を触れて、少しだけ抱き寄せてくる。前屈みになって、柔らかい太ももに指先が当たった。彼女はそれを目敏く捉えて、わたしの掌を白くてあたたかな肉に沈み込ませる。
 不意に足を閉じられて、手の甲が内腿に挟まれた。骨がごりごり当たるくらい強く押し付けられて、足の付け根の感触を意識させられてしまう。

 ちょ、ちょっと…!
 わたしは動揺し、モレーちゃんを見る。
 嗜虐的な笑みを浮かべる彼女は、ふうと耳に息を吹きかけた。背中が酷くぞわぞわするのに、頭が燃えるように熱い。

「ね。…ほら、どきどきするでしょ…?」

 なるほど!勉強になります!
 わたしは感謝を述べて、手を股から引っこ抜いた。
 モレーちゃんは眉根を寄せて「…雰囲気が出ないの、きみのせいもあるんじゃないの?」と悪態を吐く。
 えっ、なんで。いまなんで悪口言われた?

 モレーちゃんは不満げに唇を尖らせる。
 そうして指先で、白くて綺麗な髪の毛をくるくると弄んで、「はあー」と大きな溜息を隠さずに落とした。

「…カフェでだべって、映画でも見て、ジンギスカンでも食べて来たらいいじゃん」

 呆れた風────というよりかは、ちょっと拗ねたような語り口である。
 つまらなそうな態度であるが、その言葉は真摯なモノだ。わたしは静かに、モレーちゃんの言葉を待つ。
 
「…そんで、ゆるーく手でも繋いで帰っちゃってさ。
 次は何処行く?何見る? …なんてね。少し、初心過ぎ?」

 セイバーとは違う色の瞳が、穏やかにわたしを見た。
 少し疲れたような、影のある控えめな微笑み。見た目こそ大きく違ったとしても────その静かで、慈愛に満ちた表情は、やっぱり。わたしが好きになった、ジャック・ド・モレーと同じモノに映る。
 他者への奉仕を優先し、誰かの幸福を祈る人。わたしが好きなのは、そういう精神性なのだ。

 そう思うと、わたしはそのプランで行くと言い出すことは出来なかった。
 だから、「第二案ってある?」とモレーちゃんに素直に聞く。尋ねられた彼女は、ちょっとだけ顔を曇らせた。

「まー、私の言う事なんか、信じられないかもだけど。
 これはホント。有料で教えてもいいくらい、マジな意見だよ」

 それは真実だろうし、元より疑ってはいない。そもそも、モレーちゃんがわたしに対して非常に甘いのはよく分かっている。
 自堕落でダウナー。快楽と自己の利益を優先するという精神性がベースの筈なのに、下心込みとはいえこうしてわたしの相談に乗ってる辺りが絶対にそう。
 わたしのことが好きだから、自分の利益にならないことを教えてくれている。そんなの、馬鹿でもわかることだろう。
 
「でもさ。それって、モレーちゃんがしたいことじゃん」
 
 わたしは軽く、そう返す。
 彼女の考えてくれたプランは、モレーちゃんが思う一番嬉しいデートプランだ。だからやっぱり、それを実行することは出来ない。

「そだよ? でも、あいつもあたしもジャック・ド・モレー。霊基は違えど同じ人間だ。
 …間違いないプランだと思うけど?」

 モレーちゃんは、さっきの案が一番だと推してくる。
 それはわたしも分かっていると同意をしようとすれば、唇に指先が当てられる。思わず黙れば、少しムッとした瞳が、わたしを不満げに見た。
 
「つーか。重要なのは、場所なんかじゃないって。きみを独占できるなら、なんでもいいんだしさ」

 わたしの問い掛けに、モレーちゃんは少しズレた回答をする。はぐらかされたと言うよりかは、純粋にそう言っている風に思う。
 
 しかし、なんでもいいとは言いつつも、モレーちゃんは自分がその計画でわたしとお出掛けしたい筈だ。
 だって、己が思う一番良いデートを、正直に提案してくれたのだから。

「でも。それならやっぱり、モレーちゃんと行きたいよ」

 わたしの返答に、彼女は瞬きをする。
 さっきまでのムキになったような顔は鳴りを顰めて。厚みのある艶やかな唇が、ぽかんと小さく空けられた。

「…私と行くから、あいつとは行かないって言ってたの?」

 そうだけど。
 それ以外に、却下する理由なんかあるだろうか?
 わたしはセイバーが好きだが、モレーちゃんのことも好きだ。そしてセイバーが好きだからと、モレーちゃんを蔑ろにはしたくない。

 伝えれば、モレーちゃんは息を吐いた。悩ましげな、困ったような溜息だった。
 あまり見ない表情である。どれかと言えば、セイバーがよくしているような。
 なんというか、胃痛。そう、胃痛。何かを失敗った時のような、心労のかさんだ顔をしている。
 
「うーん、モナム。なーんであたしが先に呼ばれなかったんだろ。
…そしたらさ、きみをそんな理由で悩ませないし。こんな、醜い感情だって… …あーあ、馬鹿らしい!」

 モレーちゃんはわたしに寄り掛かり、その豊満な乳を押し付けた。腕を首に回して、私の頭に頬を擦り付けている。
 わたしを囲うようにして、足が絡みついた。太腿でお腹を挟んで、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
 普段の性的欲求を誘うモノ────というよりかは、本当にただくっ付きたくてくっ付いてるような、無邪気な触り方だった。

「きみは共有資産って話で纏まってるから、我慢するけどさー… ホントは、独り占めしちゃいたいんだよね」
 
 もー、すきすき、と頬に何度も口付けをされて、漸く解放される。
 しかし離れる気は無いようで、白くて柔らかい髪の毛が、わたしの前髪にかかるくらい距離が近い。
 あと聞き捨てならない言葉が流れていった。共有資産なんだ、わたしって。

「ね。あいつのコトなんか、いいじゃん。
 奥手と誠実は別だ。あれは意気地なしだから、貴女に手を出していないだけに過ぎない。
 …私は、それを狡いと思うよ」

 モレーはわたしをじっと見た。仄暗い色が、わたしを愛おしそうに歓迎している。
 そうして指を伸ばして、顎を掬い取った。少し上を向かされて、鼻に眼鏡が軽く触れる。

「…だって。こんなに素敵で、かわいくて… 私を大切に想ってくれる、魅力的な女性なのにね」

 あまりのベタ褒めにわたしの頭が壊れそうである。
 どきどきと心拍が壊れそうなくらいに鳴る。直球の口説き文句に腰を引いてしまえば、モレーちゃんは「んふふ」と愉快そうに笑った。
 そして指を立てて、悪戯っぽく言う。

「あー、それに。頭が硬くて、オンナノコにも容赦無く拳骨だよ」

 それはモレーちゃんが悪いことをするからだぞ。

 セイバーが開拓していた無人島を、横から勝手に高速で開発したから。時間操作のパワープレイで住民も総入れ替え。それは、怒られて当然である。
 わたしはしばかれた事ないよと主張すれば、彼女は笑顔でそれを流した。モレーちゃんは嘘を吐かないが、都合が悪いと黙りがちである。本当に、ずるくてかわいいサーヴァントだ。

 湿度のある雰囲気が霧散して消えていく。
 彼女はあえて、そんな振る舞いをしたように思う。こんなに堕落へと誘惑してくる癖に、ここぞという時に誠実さを取るのだから。そういうところがいじらしい。

「ところで。…どう?どう? ね、ほら…あたしに乗り換えるっていうの。
 ね?サーヴァントくらいさ… 使い魔なんだから。スマホよろしく、気軽にどう?」

 乗り換えない。二台契約で行く。
 そう答えれば、彼女はあはは!と声を出して笑った。断られるのが分かっていたから寂しいような、だけどそう言って欲しかったような、そんな複雑な顔をしている。

「誘惑に屈しない、誠実なきみだから好きなんだけどさ。
 …さすがに即決されると、全然おもしろくなーい」

 モレーちゃんはわたしに絡み付いて、ぶーぶー文句を言っている。
 サワサワと背中を撫でる腕が若干いやらしくなってきた頃、玄関のドアが開け放たれる。
 
 そちらを見れば、わなわなとスーパー袋を持ったままのセイバーが震えていた。
 おかえりーと声を掛ければ、彼は「た、只今戻りました…」と覇気の無い声で呟く。

「心配しなくても、何もしてないって。あたしは正々堂々、真っ直ぐ誘惑するからさ。
 …てゆうか。こういう誘いに乗らないヒトだって、私がよーく分かってるっしょ?」

 モレーちゃんはそう呆れた風に言ったが、それはそれとしてわたしの胸に豊満な乳を押し付けている。
 動きに合わせてふにふにと形が歪んで、同性ながら目を惹かれてしまう。
 わたしが「とてもやわらかい」と内心思ったことを察したのかは不明だが、横から伸びる手が彼女の頭を押す。
 そうして拘束が緩んだ間に、わたしは思い切り引き寄せられた。

「だからと言って、誘惑していい理由にはならないだろう!」

 それはそう。
 胸が柔らかな感触を忘れる前に、背中に筋張った指が当てられる。セイバーはこちらを抱き込むようにして、モレーちゃんからわたしを隠しているらしい。
 普段は全然こんなに近付くことがないのに。急に抱き寄せられたら、どきどきしてしまう。
 
「わ、私たちは、使い魔です。マスターの資産とも言えるでしょう。で、ですが。節度は必要です。
 あくまで主従なのですから、度を越した我儘を許すべきではありません!」

 日頃セイバーは全く距離を詰めないのに、今日は怒っているからかすごく近い。長いまつ毛が瞬きの度に震えて、真っ直ぐにわたしを見ていた。
 戸惑うように指先を胸に置けば、そこでやっと距離感の崩壊に気が付いたらしい。「あ!?いえ、あの…こ、これは…」「そ、その…いえ、言い訳では…!」とモゴモゴ色々言った後、結局わたしをそのまま胸に閉じ込めた。ヤケクソである。

「マスター… お許しください…」

 潤んだ瞳がわたしを見下ろす。
 何を許せばいいというのか。モレーちゃんが誘惑してくること?それとも、セイバーがわたしを抱き締めたこと?
 
 どっちも別に、なんとも思わない。好きにしたらいいと思うが。
 わたしは二人が好きだから、自由に振る舞って、やりたいようにしていて欲しい。それはそれとして、抱き締めてくれるなら、わたしも抱き締め返したい。
 
 背中に腕を回し返せば、セイバーは困った顔をした。
 ばくばくと激しく脈打つ心臓が、胸のときめきを教えてくれる。
 
 惑う指先が、わたしの髪をすいた。そのままナデナデと、やさしく掌が往復する。
 …まるで愛玩動物のような扱いだが、まあ許して差し上げよう。モレーちゃんとは対照的に、セイバーの手付きはどこまでも健全である。

「そもそも、誘惑がメインってワケじゃないよ。…かわいいかわいいきみのマスターが、セイバーのあたしが奥手で寂しいって言うからさ」

「なっ…!?」
 
「恋人っぽくないから不安だし、どうしたらいい?…なんて、かわいい話をしてたワケ、ですよ」
 
 「…これだけ言わせておいて、何もしないとか無いよね?」とモレーちゃんはセイバーに凄んだ。
 そのちょっと嫌味な言い方だとか、怒り方がかなりセイバーっぽくて、わたしは少し高揚してしまう。
 
 しかしそれは話盛り過ぎである。
 全くの嘘ということはないが、そこまで寂しくは…いや、少しあったかもしれない。確かに言われてみれば、そうだったかも。
 モレーちゃんは目敏く、言葉の裏の、わたしすら知らない感情に気付いていたのだった。

「そ… そのように心を砕いて頂かずとも… わ、私は…!マスターを、おっ…お慕いして、おります…!」

 セイバーは上擦った声で、わたしにそう言った。
 上半身が少し胸から離されて、真っ直ぐに視線が向きあう。両手を握り込まれて、祈るように持ち上げられた。

「い、いえ。寂しい思いをさせてしまったのは、このモレーの不得。か、甲斐性が足りず、申し訳ございません…!
 し、しかし。私は… マスターのことが…!本当に、その…」

 壊れそうな心拍は、それが100%の真実だと雄弁に語っている。
 わたしは少し反省した。所帯染みてきたなあと勝手に思っていたのは自分だけであり、セイバーはずっとどきどきして困っていたのだと。
 それは…それは。急激に物事を進めるべきではない。わたしたちはわたしたちのペースで、ゆっくりやるべきだと思い直した。

 わかってるよ、とわたしはセイバーに伝える。
 わたしもそういうセイバーが好き!と返せば、彼はかわいらしくはにかんだ。照れと喜びが混ざったような、少し歪な微笑みである。

 この分じゃ、二人でデートとかは当分先だろう。ソワソワしてどうしようもなくなっているセイバーを見たいかと言われれば、勿論見たいのだが。
 わざわざ心労が嵩むような真似をしたいかと言われると、そうではないのだし。

 モレーちゃんは、こちらの結論に気付いたようで「あーあ」と呆れた風に溜息を吐いた。今までの会話、ほぼ徒労になったからである。
 でも確かに、ここまで相談しておいて全部消滅は勿体無い。しかし、モレーちゃんとだけデートするのも公平ではない。そうすると…そうなると…?

 あっ、じゃあ三人でお出掛けしよう!
 それなら良い具合にセイバーも肩の力が抜けるし、モレーちゃんもやりすぎない。
 わたしは名案だとモレーちゃんを見る。次回のデートプランをみんなで考えて、楽しくお茶でもしばこうではないか。
 そういうつもりで、二人を見たのだが。なんか、感触が芳しくない。

「きみの強欲さは好きだけど…そういうトコ、どうかと思う。
 もし…もし三人目を囲ったら…ホント、マジで、ぜーったい呪っ殺すからね。あっ、これ本気だから」

 目がマジで草。
 さすがにそんな真似しないって。わたしはそう思い、同意を求めてセイバーを見る。セイバーは視線を彷徨わせたのち、わたしから目線を外す。えっ。

「…マスターは、よく言えば慈愛に溢れ、懐の深い方です。しかし… しかし…!
 私とこいつを家に置いていること… それは…!愛の多い方、とでも言い換えましょうか…!」

 セイバーはすごく言葉に気を遣っているが、要するに気の多いヤツということである。
 二人のモレーはわたしの浮気を心配しているらしくて、個人的に大変心外なのだが。そんな破天荒な人間に見えるか!?

「だって。きみって本当にお人好しなんだもん。あたしを家に置いちゃって、魔力も支払ってるし。
 そんでもって維持費って、ポケットマネーっしょ?」

「ええ。全額、マスターの資産から出ています。…おまえは日頃、それを常々感謝して過ごすべきだろう」

「あははー、それは勿論。でも、そんな大金、すぐには払えないから… ね。他のモノで、返済してもいい…?」

「やめろ!変な場所を触るな!
 マスター、やはりこれは解約すべきです。クーリングオフという制度を使い、速やかに座へ返しましょう」

 あああ。モレーくんとモレーちゃんが揉め始めてしまった。わたしを挟んで、めちゃくちゃな口論をしている。
 
 このままだとモレーちゃんが返品されてしまう。
 ダメダメと仲裁に入れば、セイバーはムッとした。面白くないと思っているのは明白である。モレーちゃんは対照的に、とろけた瞳でわたしを見る。

「困ってる使い魔さえ放って置けない、どうしようもないヒト… きっと、同じように縋られたら。きみは投資をしちゃうんだろうね。
 ふふ、うふふ…あたしは、好きだけどさ」

 モレーちゃんはわたしを背中側から抱きしめた。やわらかな胸が当たって、白い太腿がお尻に当たる。肩に顎を乗せられて、細い指先がお腹を撫でた。
 対抗するように、セイバーはわたしをモレーちゃんごと引き寄せる。胸板に顔が当たって、行き場のない指を手袋に絡め取られた。
 目線を上げれば、眉根を寄せた表情が見える。ちょっとだけ、何かに耐えるような顔だ。多分、すごく譲歩している。何もかもを。

「マスターの博愛は、美徳ですが… ええ、善いことです。間違いなく、善良な行為でしょう。
 しかし…私は…!その優しさが安売りされている事…それは、我慢がならないのです…!」

 つまり。
 これ以上、サーヴァントは拾ってくるなってこと?

 わたしの問いに、二人はにっこり笑った。ああ、やっぱり同じ人物。笑顔がそっくりです。

「ダメに決まっています」
 
「あっ、勿論。人もダメだからね」

 ですよね。